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■「AMG‐News」 2021年 8月号(vol.39)
平素は大変お世話になっております。
オリンピックが始まりましたね。
様々な思いはありますが、コロナ禍に加えて
この猛暑、選手皆さんの健康面のご無事を
祈りたいと思います。
さて、今回は前回に引き続き、汗ぬきクリー
ニングの特集です。
本題に入る前に少し前号のおさらいを。
①汗は水溶性の液体なので、ドライより水洗い
の方がよく落ちる。
②汗が出ると「皮脂」も同時に分泌される。
皮脂は脂(あぶら)なので水洗いよりドライ
の方がよく落ちる。
③汗、皮脂を取るにはWクリーニングが一番。
しかしWクリーニングは生産コスト、衣類
へのダメージ、納期、価格設定など課題も
多い。
このような背景の中で近年増えてきたのが
汗ぬきドライです。
「汗ぬきドライ」のしくみ
汗ぬきドライは名前の通りドライクリーニング
です。普通のドライと違う点は、第1洗浄で
水分が入った専用の洗剤で水溶性汚れを除去
する事です。
※油と水は普通は混ざりません
水分が入っていると言っても石油系溶剤と
水は通常混ざりません。一般的に知られて
いるように油と水は分離するものです。
汗ぬきドライ用洗剤「乾洗王」
「乾洗王」は汗ぬきドライ用に作られた専用の
洗剤です。「乾洗王」の原液には約30%水分
が配合されています。
※AMG汗ぬきドライ用洗剤「乾洗王」
先程「水と油は混ざらない」と述べましたが
「乾洗王」は独自の分散化技術を使って、
石油系溶剤中に水分を安定配合する事
を可能にしています。
「水」の入った洗剤で洗って大丈夫?
「汗ぬきドライ」を検討される上でユーザーの
方が最も気にされる事が、ドライで水の入った
洗剤を入れて洗って
①ウールなどの衣類は大丈夫なのか?
②ドライ溶剤は大丈夫なのか?
という2点です。
※通常なら、ドライ洗いで水の混入はタブー
現場を知ってる方は特に、ドライ溶剤に水が
混入した時の最悪の状況をよくご存知なので
ご心配になるのも当然かと思います。
水が微粒子状なら衣類に悪影響はない
水がそのままウールなどの繊維に付着すると
シワや色泣きなどの発生につながります。
しかし溶剤中の水が微粒子状に分散配合
された状態では衣類へのダメージは大きく
減ります。
※電子顕微鏡で撮影した乾洗王(白い粒が水の粒子)
乾洗王の水分は超微粒子状に安定配合され
ており、普通にドライ洗浄しても衣類に問題
は起こりません。
溶剤中に入った水分はどこへ行く?
衣類へのダメージは大丈夫でも、汗ぬきドライ
をする度に入る水分の影響で溶剤に問題は
起こらないのでしょうか?
上記イラストにまとめた通り、同じ水でもその
粒子が小さいと、溶剤中に均一に混ざるので
衣類へのダメージが少ないだけでなく、乳化
や沈殿する事もありません。
また、この水分は溶剤、洗剤と一緒に衣類に
付着して乾燥で溶剤と一緒に蒸発しますので
ドライ機に蓄積していく事はありません。
汗ぬきドライのプログラム
まずは以下のリンク先の洗浄動画を
ご覧下さい。
汗ぬきドライのプログラムは以下の通り
①バッチ洗い(7分以上推奨)
②循環洗い(5~10分)
と2回の洗浄を行う事が基本となります。
※プログラム例(バッチ7分、循環8分、脱液5分)
①高濃度洗浄のバッチ洗い
第1洗浄のバッチ洗いではドラム内に汲み上げ
た溶剤中に汗ぬき洗剤「乾洗王」を入れて、
高濃度の洗浄を行います。
※バッチ時の溶剤量は把握しておきましょう
バッチ時に入れる乾洗王の量は0.7%が目安
です。例えばバッチで50Lの液が汲み上がると
すると、乾洗王の投入量は350㏄が適量です。
②循環洗いの役割
第2洗浄の循環洗いは、バッチ洗いで出た汚れ
をフィルターで濾過しながらベースタンク全体
の液で衣類を濯ぐ役割があります。
※ベースタンク全体の液で濯ぐ循環洗い
この時にチャージソープの帯電防止剤や柔軟剤
などが衣類に付着しますので、この循環洗いは
リンス(トリートメント)工程とも言えます。
重要なチャージソープの選択
汗ぬきドライを行う上で、チャージソープの
選択はとても重要です。
一般的な高抱水性ソープは、溶剤中の水分
を抱き込むと衣類やフィルターがベタ付く
傾向があるので、水溶性汚れを除去する
効果が高い汗ぬきドライには不向きです。
※汗ぬきドライ純正の洗剤「シリコンソープ」
「シリコンソープ」は低抱水性タイプなので
衣類やフィルターがベタつかないだけでなく
「乾洗王」を繊維に浸透させる働きもある為、
洗浄力をさらに高める効果があります。
汗ぬきドライには洗浄力と溶剤管理の面から
純正品のチャージソープをご使用下さい。
汗ぬきドライについてまとめてみました。
弊社サイト内の特集ページでは、洗浄動画の
他に、使用ユーザー様のインタビュー動画や
成功例の受注データなども公開していますの
で是非ご参考にして下さい。